
2005年03月15日
人のつながりの善きことかな
随分と永きにわたってコラムから遠ざかってしまい、ごめんなさい。
丁度、春の生徒募集時期にあたっていたためです。
これを読んでくださっているあなたは、どのような関係の業界の方ですか?
塾業界では、
春の広告の反応結果がそのままその塾の1年の盛衰を左右する
と申し上げても過言ではない時期がこの2月と3月なのです。
昨年、私は惨敗しました。
30,000枚の広告を新聞に折り込んで、反応はゼロ。
私は真っ向勝負をします。
他塾が集中して折り込む日に私も折り込むのです。
一見すると不利のように思われますが、
住宅関係や食品関係の広告と決定的に違うことは、
とてつもなく短い時期に限られる、
つまり、子どもたちや親御さんが塾に対して関心を抱く時期は
入試の時期でもあるわけで、その期間はわずか2か月、
もっと極端に言うならば、入試当日を中心にしてわずか1週間
という期間に限定されるのです。
しょっちゅう目にする業界の広告がある反面、
教育関係の広告はある時期を過ぎてしまうと
極端に目にしなくなるのはこのためです。
その時期を逃してしまうということは、
その年度の1年間はかなり不利なものになってしまうということです。
昨年の私です。
折り込む日がわずかに1日遅れたのです。
後味の悪い新年度の開始でした。
惨敗の原因は2つありました。
そのひとつは、他塾が一斉に折り込む日の確かな情報を得られなかったこと。
そしてもうひとつは、広告作成時からつまずいたことでした。
どちらにせよ、敗因は情報量の不足です。
その惨敗の代わりと申し上げるのも変な話なのですけれども、
不思議な人との出会いを体験することになるのです。
その筆頭がこのホームページのオーナーである小田氏です。
私のとんでもない広告を見て、「この広告を作った人の顔を見てみたい」
というお電話を頂いたのがそもそもの始まりでした。
当時は小田氏のおっしゃることがよく理解できなかったのです。
原因はやはり情報量の不足。
ただし、この情報とは、折り込み日の情報というような狭義的なものではなく、
マーケティングという広義的な情報です。
「マーケティングって何ですか?」
そんなことも分からずに広告を作っていたのです。
なんとお粗末な塾経営者だったのでしょう!
勉強不足もいいところです。
もう決まりです。
そういう分野の勉強にこの1年間を費やそう。
マーケティングに関するどのような著書を読んだのかは割愛しますが、
全部で30冊くらいと記憶しています。
勿論、現在も読み続けています。
私に決定的な契機が訪れたのは6月のことでした。
私が所属する「21世紀の教育を考える塾の会」からのセミナー出演依頼が来たのです。
(全国規模で約250塾が加盟:以後「会」と表記)
日頃は子どもたちや親御さんの前で話をしているとはいえ、
塾の先生を相手に話をするなどとは夢にも思っていませんでした。
何度かコラムでも書かせて頂きましたが、
40ページを優に超えるマガジンのようなニュースレターを作ってます。
会の塾長さんからはもちろんのこと、
会以外の塾長さんからも
そのようなニュースレターを
どんな人間がどのようにして作っているのかを教えてくれないか
という問い合わせが続いている、というのが会の主宰の声でした。
6月のセミナー出演を機に、
私の力の及ばないところで、でも、私を幸運に導いてくれる力が働いているという
何とも不思議な空気の流れを全身で受けとめることになりました。
セミナー出演1週間後には、
塾専用教材を作る出版社の社長と知り合いになり、
「本作りのプロ」としての手厳しくも優しくて的確なアドバイスをいただいたことで、
ニュースレターの紙面作りを根本的に見直す機会を得たばかりか、
紙面のレイアウトそのものを作り上げる技術力とデザイン力も
会得することになりました。
また、「ニュースレター2人交換会」が始まり、
長崎・佐賀・広島・岡山・京都・大阪・富山・岐阜・愛知・岐阜・東京という順に、
私のニュースレターが「旅先」を広げ、
その一方で、各都府県から力作のニュースレターが私の所へやって来る
という出来事の起こる数が、月を重ねるごとに増えていきました。
その中で、私が最も感謝したいことは、
「おまえ、それはやめろよ。」と言って、
ときには暴走しそうになる私を止めてくださる方が現れたことです。
私はどうも激昂型(げっこうがた)の性格で、
その激しさゆえに60日に1度とはいえ、
40ページを超えるものを作ることができるのも確かなのです。
社長とか塾長という、いわゆる「長」という立場になると、
自分の行動に対して反論したり制御してくれる人、
いわゆる「冷静な目」の役割をしてくれる人が少なくなってしまいます。
妙な気遣いはイエスマンしか生み出さず、
その中にどっぷりと浸かってしまうほど危険なことはないのです。
一度その環境に浸かってしまったら、
逆に今度は、反論する人をともすれば敵視する行為さえはじまり、
気づかぬうちにやがては斜陽へと向かう・・・。
「2人交換会」を通じて得た情報は、
ニュースレターに留まりませんでした。
情報交換は、ニュースレターのような大きなもの以外は
たいていは電子メールでなされます。
すると、おもしろいもので、
仕事を離れた趣味の話なども飛びだしてくるのです。
紹介は紹介を呼び、一面識もなく声すら交換しあったこともないのに、
「同士」とでも言うべき連帯感のようなものまで構築され、
思いもよらないところから
思いもかけない情報を頂いたりすることも1度や2度にあらず。
この「2人交換会」の情報交換ネットワークが
今年の春の広告作成に驚くべき結果をもたらしました。
「情報を欲するならば、まず己(おの)が情報を発信・提供すべし」
この1年間で到達した私のポリシーです。
「タダで情報を得ようとする人は、結局は有効な情報を何ひとつ得られない」
これはアメリカの経済界では通説になっています。
然り!
「2人交換会」を始めたばかりの塾長さんに、
必ず問われることがあります。
「先生のニュースレターは情報の宝庫ですね。
でも、これだけのことを一度に発信したら、
ネタが尽きたり、大切な先生のネタを(他塾に)取られる(パクられる)ことは
ないのですか? もし取られたら、先生はすごく損をされることになりませんか?」
答は全てNOです。
むしろ逆です。
「先生、このネタいいね。ウチでも使わせてよ。」
「いいですよ。でも、こんなの使えるの?」
このような会話が、メールや電話でなされ、
こちらが忘れかけた頃に、
あるいはこちらが何かのことで行き詰まって相談を持ちかけると、
「先生、こんなネタがあるよ。使ってよ」。
その「使ってよ」という情報は、
私が発信した情報の数倍になっているのです。
「先生、広告できた?」
そう言って、まず私の方から自分の作った広告原案を
「2人交換会」のメンバー全員に発信します。
昨年同様に行き詰まった箇所があって、
昨年はこの情報網がなかったために失敗し、
今年はこの情報網が私を成功に導いてくれたのです。
解決策は数倍になって返ってきました。
うれしいですね。
作成当初から行き詰まった昨年。
作成当初から情報をふんだんに入手できた今年。
今更ながら、人の情報の凄さを実感したのです。
情報はまさしく戦略になり、戦術になる。
その情報を発信し、情報網を構築しているのは
コンピュータではなく、確かに人間なのです。
人のつながりの善きことかな。
みなさん、どうもありがとう。
これからも、ずっとよろしく。
感謝と共に新年度のスタートです。 |